それについて少しおさらいと訂正を兼ねて詳細をつまびらかにしてみたいと思う。
なぜトリミングが必要なのか
まずトリミングする目的であるが、一言「余白を削って少しでも文字を大きく見せる」ためである。例えば20cmの幅がある本があったとして、余白が左右に3cmずつあったとすると、実質的には14cmの横幅しかない。
この場合、きっちりトリミングができたとすると文字の幅は1.4倍になり、面積でいうと約2倍にもなる。
つまり、うまくいけば可読性がグンと向上するのである。
Kindle2,Kindle3などあまり広くない画面で(拡大操作せずに)PDFを読むには重要な作業なのである。
なぜ「Acrobat」なのか
現段階で自炊を検討している人の中には「Acrobatを持っていない人はどうすれば?」と思う人もいるかもしれない。もちろんAcrobat以外の無料ソフトなどでも同様の機能をもったものもあるかもしれない。
わざわざん万円もするソフトを買うのか?と思われるのは当然だろう。
現在自炊用スキャナとして個人に売れているのは恐らく以下の3シリーズだと思っている。
・EPSON Offilio ES-D200
・CANON imageFORMULA DR-2510C
・FUJITSU(PFU) ScanSnap S1500
これらの製品にはいずれも「Acrobat Standard 9」が同梱されているのだ。
なので、これらのスキャナを購入される方については別途購入不要なので安心されたい。
なお、すでに次のバージョンである「Acrobat X」が発売されているが、バージョンアップするには2万円ほどかかるし、自炊だけなら恐らくそんなに使いこなさないので9のままで問題ないと思う。
ページ番号印字を残すか
トリミングする上で悩ましいのが本文の上下に印字されているページ番号を残すかどうかである。(書籍によってはここに章のタイトルが印字されているケースもある。)
当然残さずにカットしたほうが最終的に文字をより大きく表示させることができる。
Kindleで読む場合、PDF上のページ番号は画面の下に常に表示されているし、小説などを読む上では本来のページ番号などほとんど意味を成さない。
索引からページ番号を指定されるような場合は本来のページ番号を残しておかないと不便だが、後述の方法でPDF上のページ番号を変えることでKindle上でも書籍と同じページ番号を表示させることができる。
また、ページに印字されているの縦横の比率によってはページ番号の印字をカットしても表示する大きさが変わらないこともある。
例えば以下のようなページなど。
見てお分かりのとおり、ページ数印字をカットしても横幅がいっぱいいっぱいなので表示サイズは変わらない。
つまり、書籍の種類や使い方や状況によって残したり残さなかったりということになると思う。
ページ番号の変更方法
表紙も取り込むことが多いため、ほとんどの場合書籍上のページ番号とPDF上のページ番号が違ってしまう。本によっては序章の部分と本編とでページ番号を分けているケースも多いのでずれも広がってしまう。
そこで、PDF上でも書籍上のページ番号にあわせたいなら、以下の方法を。
「アドバンスト」→「文書処理」→「ページ番号」とたどると
「ページ番号」のダイアログがでる。
これでいくつかのセクションにわけ、ページ番号を書籍上のページ番号にあわせることができる。
ここで指定できるページ番号のスタイルは「なし」も含めて数字以外の書式でもKindle上でそのまま表示されるので安心。
トリミングの手順
さてやっと今回の本題。
1.ページの中で印字面積の一番広いと思われるページを表示する。
「1ページ全体を表示」ボタンでページを表示させておくとよい。
2.「文書」→「ページのトリミング」を選択すると「ページのトリミング」ダイアログボックスが表示される。
3.このダイアログボックスにはプレビュー画面がついていて便利なのだが、画面が小さく縮小されているので細かい制御がしづらい。
4.なのでここで「ページのトリミング」のダイアログボックスを左右どちらかにずらし、PDF全体が見渡せるようにする。
実はダイアログ上で変更したトリミングの操作が実画面にも反映されるのである。(以前はこれに気づかなかった。)
ここまできたら準備はできた。
5.まずは上下のトリミングを行う。
上、下の横の数値を変更すると実画面上で点線が表示されるが、この線の位置がトリミングする境界なのである。
数値を変えるとリアルタイムで点線の位置が変わるので便利だ。
スキャナで取り込んだPDFは必ずといっていいほど上下左右に少々ずれて取り込まれたページが存在する。
なのであまりギチギチにせず、3~5ミリくらいは余裕を持つと良いと思う。
「ページ範囲」は表紙以外のページすべてに適用するべく、3~最終ページなどの範囲を指定する。
「適用先」は「偶数および奇数ページ」を選択する。
6.次に左右のトリミングをする。
書籍のレイアウトや裁断した場所によって、左右の余白が奇数ページと偶数ページで違うことが多いので、奇数ページで左右のトリミングしたら「適用先」は「奇数ページ」を選択する。偶数ページはその逆。
そうすればより余白を少なくできる。
ここは前回紹介したとおりだ。
ポイントは上下のトリミングを先にやること。ちょっとだけだが工数を減らせる。
自動トリミング
「ページのトリミング」のダイアログボックス内に「余白を削除」というチェックボックスがある。このチェックボックスについて誤解していたので改めて機能を紹介。
これにチェックを入れ、適用先に複数のページを指定すると、ページごとに自動トリミングしてくれる。
これは恐ろしく便利な機能であるが、以下の2点の問題がある。
・スキャンしたPDFでは余白を検知してくれないことが多い。(デジタルドキュメントなら成功する)
(これは自分の環境だけの問題かもしれない)
・ページ番号は残るし、「一辺だけ手動で指定」というような芸当ができない。
最後に
トリミングなどの加工をする場合、スキャンしたファイルをそのまま加工するのではなく、複製を作っておくほうが良いと思う。加工に失敗して誤って保存してしまった場合元に戻せなくなることもあるし、スキャンした本を捨ててしまった場合は・・・。
(例えばトリミングしたあとで「スキャンしたPDFの最適化」をすると余白が戻ってこなくなります。)
ではまた。
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