理由は色々あるのだが個人的に一番大きな理由は画面の大きさである。
PDFというファイル形式はページの概念を持ち、レイアウトを維持するような仕掛けになっている。
そのためA5サイズの書籍などを6インチ画面で見ようとするとどうしても文字が小さくなる。
文字サイズを大きくしようとするとページの一部が画面からはみ出てしまう。
たとえ自炊で作成したPDF(ほぼ画像に近い)でなく、デジタルドキュメントから作成したPDFであっても同様である。
悪あがき
以前紹介したように裁断やトリミングで余白をなくす方法は有効ではあるが効果的とは言いがたい。特に大きな書籍の場合は余白をなくしたところで数%程度の改善にしかならないのだ。
そこで拡大表示したり表示する向きを変えたりするのだが、その詳細は次回以降に紹介する。
このシリーズの意図
文庫本「編」というからには続き物である。自炊したPDFをKindle3に入れてどのくらいの文字の大きさで表示されるのかを、具体的に画像を交えて比較していきたいと思う。
で今回まずは文庫本から。
文庫本よりも小さい本などないから、もしこれがダメ(非実用的)だったらもはやPDFリーダーとしては一切使い物にならないと言ってよいだろうと思う。
文庫本のサイズは一般的にA6版に近い。長さは105mm×148mm。
ちなみにKindle3の画面サイズは90mm×122mmほど。
すでに下回っている。
さらにKindle3の仕様としてPDF表示時には上下左右に一定のマージン(下側にはページ数など)が表示されるのでさらに表示域は小さくなる。
だが我々にはトリミングという技があるのでマージンについてはある程度は相殺できるハズだ。
今回選択した本はこちら。
「岩波文庫 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) 永井荷風作 (第44刷1992年)」
挿絵のある本であるためグレースケールでスキャンした。
結果
トリミングなしの状態のPDFのスクリーンショットがこちらこれをAcrobatでトリミングする。
今回は小説であるためページ数は重要ではないと考え、上部に印字されたページ数の部分もカットした。
Kindle3に入れて表示してみる。左は裁断された本の同じページ。
拡大するとこんな感じ。
感想
文字の大きさについてはわずかに小さくなっているものの、遜色ない程度の大きさは保っている。これなら実用に耐える。
なお、初めて見る人は画質の劣化について気にされることだろう。
これはグレースケールであることや解像度の問題などもあるのだが、この点についてはまた今度触れたい。
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